生活習慣の乱れが大きな原因に
糖尿病は、 インスリン(血糖値を下げるホルモン)の分泌や働きが不十分で、血液中のブドウ糖濃度が上昇してしまう病気。 高血糖の状態が長く続くと、三大症状といわれる多飲、多食、多尿のほか、全身の倦怠感や体重の減少といった特徴的な症状が現れます。
中医学では “体の消耗が激しく、のどの渇きが強い”という症状の特徴から古くから「消渇(しょうかつ)」と呼ばれてきました。遺伝的素因のほか、 飲食の不摂生やストレスが原因となり、特徴的な肺・脾・腎の症状がみられます。病気の進行状態から、口が渇き多飲になる「上消 (軽度・ 肺の症状)」、食欲が過剰で多食になる「中消(中度・胃の症状)」、尿量が異常に多くなる「下消(重度・腎の症状)」 の三消に区別され、約千年前からそれぞれに応じた治療が行われてきました。
糖尿病で怖いのは、初期には自覚症状がほとんどないということ。そのため、 気づかないうちに病状が進行してしまうことも少なくありません。糖尿病が進行すると、腎症や網膜症、神経障害の三大合併症のほか、 心筋梗塞、狭心症、脳卒中などの血管障害を引き起すこともあり、失明や生命の危険にも至ります。 だから糖尿病と診断される前に高血糖の段階で予防することが肝心。
バランスのとれた食事、適度な運動を心掛け、 肥満にならないよう注意しましょう。
体質別・ 糖尿病の予防法!
糖尿病には1型(インスリン依存型)と2型(インスリン非依存型)があります。
近年多く見られるのは2型の糖尿病で、生活習慣病のひとつです。 肥満や運動不足、過度のストレスなどが大きな原因に。自分の体質に合った養生法を知り、生活習慣の改善を。
痰濁 (たんだく)タイプ
肥満の原因を早めに取り除く!
糖尿病といえば肥満が大敵。中医学では肥満を、体に余分な水分や脂肪、 糖分などの汚れ(これを「痰濁」といいます)が、たまった状態と考えます。太り気味かな、と思ったらこの痰濁に要注意。 痰濁はドロドロ血になる前の段階で、比較的改善しやすい症状ですので体型がそれほど気にならない人も、 気になる症状があれば日頃の生活習慣をしっかり見直し、まった汚れを早めに取り除くよう心がけてください。
主な症状: 肥満、痰が多い、手足が重くむくみやすい、食欲旺盛、頭痛、舌の苔が多い
お薦めの食材:
尿を出すことで汚れを取り除きます。利尿作用のあるものを。
冬瓜、苦瓜、 竹の子、もやし、春雨、はと麦、オオバコの葉、びわの葉、柿の葉、チンピ(みかんの皮)、こんにゃく、 とうもろこしの髭茶
よく使われるのは: 星火温胆湯エキス顆粒、柳茶含有食品、 五味消毒飲加減方
オ血(おけつ) タイプ
血流を改善して、代謝機能をアップ
血の流れが滞ってしまう「オ血」。その原因は冷えや過労などさまざまですが、 糖尿病で気を付けたいのは、食事の不摂生などが原因で血に汚れがまって、血流がとどこおること。
血は全身を巡って“細胞に栄養素や代謝に必要な物質を届け、 不要な老廃物を回収する”という役割を担っていますが、オ血になるとこの働きが低下してしまいます。 こうした状態が続くと体内の脂肪や糖分が代謝されず、老廃物が排出されないため、 糖尿病や高血圧といった病気にもかかりやすくなってしまいます。
バランスの取れた食事、適度な運動などを心がけ、 血をサラサラにする習慣を身につけましょう。
主な症状: 顔色が暗い、しみが多い、手足のしびれ、痛み(頭痛、胃痛、腹痛、生理痛、胸痛、関節痛、 神経痛など)、舌の色が暗い、舌に点や班(黒い点やしみ)がある
お薦めの食材:
辛みや酸味のあるもの、海産物などは血の循環を改善し、血管を強くします。
玉ねぎ、 ピーマン、なす、もずく、ひじき、昆布、ウコン、酢、サンザシ、そば、マイカイ茶、紹興酒(少量)、 ひまわりの種
よく使われるのは: 冠元顆粒、焦三仙、 沙棘油
虚弱タイプ
身体の消耗を防いで、機能を高める
糖尿病の人は、食べ過ぎなどから体内に熱が発生し、 身体に必要な水分や栄養分を消耗してしまいます。
もともと虚弱体質や慢性病の人は、 より消耗しやすいので特に日頃の養生が必要です。
また、 加齢で身体の機能が低下し、糖の代謝が悪くなることも影響します。糖尿病の症状と関わりの深い「肺」「脾」「腎」 をバランスよく整えるような食養生を心掛けましょう。
主な症状: 疲れやすい、疲労感、痩せ、冷え性、腰痛、汗をよくかく、口がかわく
お薦めの食材:
良質なタンパク質、新鮮な野菜などでバランスよく栄養を。
キノコ類、 山芋、かぼちゃ、胡桃、ごま、松の実、ナツメ、クコの実、かぼちゃの種、落花生、兎肉、鶏肉、どじょう、鮎、 はまぐり
よく使われるのは: 麦味参顆粒、衛益顆粒、補中益気湯、 杞菊地黄丸
糖尿病を防ぐ暮らしの習慣を
生活習慣病の代表格である糖尿病は、食事や運動、 睡眠などに気を配ることがとても大切。日頃から意識して、バランスのとれた生活を送るよう心がけましょう。
暮らしのポイント
内臓脂肪に要注意
【食事】
バランスの良い食事
甘いもの、 脂っこいもの、酒類は控えめに
野菜はたっぷり、青身の魚を
【運動】
無理のない軽い運動(有酸素運動)を
駅ではなるべく階段を使う
歩くときは大またで少し早めに
【その他】
入浴で代謝を良くする。40℃のお湯に10分くらい
「一日一便」 便通をよくする
ストレスはこまめに発散
※ 症状や体質は一人ひとり異なりますので、薬局・ 薬店でよくご相談ください。



