秋の皮膚トラブルは乾燥(燥邪:そうじゃ) に注意
カサカサ、 かゆみ、赤み……。この季節に多く見られる皮膚のトラブルは、秋特有の邪気「燥邪(そうじゃ、乾燥)」 が主な原因と中医学では考えます。燥邪には、体内の潤い不足「内燥(ないそう)」と、外気の乾燥「外燥(がいそう)」があり、 この二つの影響から、皮膚の栄養状態が悪化してさまざまなトラブルにつながるのです。
体内の乾燥 (内燥)は、“大量の汗による水分の消耗”、“睡眠不足による体内の栄養不足”といった夏の消耗が大きな原因となります。また、 夏は冷たいものの取り過ぎで脾胃が疲れてしまうことも。脾胃の機能が低下すると、身体を維持する基本「気・血・水」 を十分に作ることができません。結果、夏の消耗をなかなか回復することができず、皮膚のトラブルも起きやすくなるのです。
こうした夏の消耗のほか、秋は「肺」の潤い不足にも注意が必要です。肺は “乾燥を嫌い、潤いを喜ぶ”という性質がり、皮膚の健康とは最も深い関わりがあります。
肺の養生は、 皮膚トラブルはもちろん風邪やインフルエンザなどの予防にもつながります。乾燥の季節には特に意識して、 肺の潤いを保つよう心がけましょう。
潤い体質で、 秋の乾燥から肌を守る!
秋の強い乾燥から皮膚を守るためには、 保湿クリームなどで表面を整えるだけでなく、体内の潤いを十分に保つことが大切です。日頃の養生でしっかり潤い体質を作り、 皮膚を健やかに整えましょう。
皮膚の大敵 「燥邪(そうじゃ)」の性質を知る
[1] 燥邪は水分を消耗しやすい
「燥邪」 は身体の水分を消耗しやすく、体内の潤いや栄養不足を招く原因に。体内、とくに呼吸器の潤いが不足すると、咽や鼻の乾燥、 空咳などさまざまな症状が現れます。皮膚にも乾燥が起き、カサカサ肌やかゆみ、赤みといったトラブルが現れやすくなります。
[2] 肺と皮膚は深い関係
「肺」は、 乾燥に弱く潤いを好む臓器で、とくに皮膚の健康と深い関わりがあります。そのため、燥邪によって肺が潤い不足になると、 そのダメージが皮膚にも影響し、お肌の乾燥症状が起きやすくなるのです。
こんな症状を感じたら、 身体の潤い対策を
「外燥 (外気の乾燥)」と「内燥(水分や血液など体内の潤い不足)」が重なると、皮膚のトラブルが強く現れるほか、口や鼻の乾燥、 咽の乾燥感や痛み、空咳、尿の量が少ない、便秘気味などの症状が見られるようになります。気になる症状がある人は、 身体の表面の皮膚だけなく、身体の内側から潤いを保つよう心がけましょう。
また、 高齢の人は特に体内の潤いが不足しがちになります。乾燥症状も出やすくなるので、日頃からの養生を大切にしてください。
食の養生は、 燥邪を取り除いて身体に潤い(水分や栄養分)を与えることがポイントです。反対に、辛いもの、油っこいもの、甘いもの、 アルコールなどの摂り過ぎは皮膚の症状を悪化させてしまうので注意しましょう。
皮膚の主な症状
カサカサタイプ
空気の乾燥や体内の水分不足が原因でカサカサ肌に。 夏の日焼けの影響が残っていることもあります。
お薦めの食材
大根、 れんこん、ほうれん草、りんご、梨、百合根、蜂蜜、キクラゲ、オリーブ油、皮つきの豚肉、鶏ガラ
かゆみタイプ
体内の水分や、 栄養を運ぶ血が不足すると、皮膚に潤いや栄養を貯えることができずかゆみが現れます。
お薦めの食材
ハッカ、 三つ葉、、菊花、しそ、葛(葛湯など)、桑の葉、金銀花(スイカズラの花)
赤みタイプ
乾燥でかゆみが生じると、無意識に掻いてしまうことで皮膚を刺激し、 炎症を起こしてしまいます。
お薦めの食材
ごぼう、苦瓜、 レタス、スイカ、豆腐、緑茶、タンポポ
ジュクジュクタイプ
乾燥の主症状ではありませんが、身体に「湿(余分な水分や汚れ)」 がまっていると、表面は乾燥していても炎症などを起こすことがあります。こもった湿を取り除き、症状を和らげましょう。
お薦めの食材
ハトムギ、 ドクダミ、冬瓜、小豆、緑豆、春雨、もやし
暮らしの気配りで、肌ストレスを防ぐ
身体の表面を守る皮膚は、生活の中でもさまざまなストレスを受けています。 紫外線や乾燥などの自然の要因はもちろん、洋服やアクセサリー、化粧、石けん、洗剤など、皮膚に触れるものもたくさん。 毎日のことだからこそ、皮膚に負担をかけない細かな気配りを大切にしましょう。
皮膚を守る暮らしの習慣
(1) 早寝早起きを心がけ、身体のバランスを整えましょう。
(2) 温水、 冷水のシャワーを交互に浴びて、皮膚と肺を鍛えましょう。
(3) 洋服や下着は、皮膚にやさしい天然素材のものを。
(4) アクセサリーは自分に合った素材を選び、いつも清潔に。
(5) 化粧品は自分の皮膚に合ったものをしっかり見極めて。
(6) 石けんは保湿性の高いものを選び、皮膚を傷つけないよう柔らかなタオルで洗いましょう。
※ 症状や体質は一人ひとり異なりますので、薬局・ 薬店でよくご相談ください。



