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肌を健やかに保つ 皮膚の養生法

2009.05.31

体質を見直して、皮膚トラブルを改善

 

 初夏の汗ばむ陽気に、落ち着いていた皮膚の発疹や、 ジュクジュクする症状が再び出やすくなっている方も多いのではないでしょうか。

 春から初夏にかけての季節は、木々が芽吹き、 すべてのものが伸びやかに成長を始めます。人の身体も動きが活発になり、エネルギーを外へと発散するように。 この働きによって体内の老廃物が外に排泄されやすくなり、皮膚のトラブルが起こりやすくなるのです。

 

 皮膚トラブルは、気候や環境の変化、アレルゲンといった外からの要因「外因」 と、身体の不調、アレルギー体質などの体内の要因「内因」、この2つの原因によって現れるものと中医学では考えます。

 例えば、五行学説では「皮膚」は「肺」にあたるため、まず肺を健やかに保ち、 皮膚トラブルの外因である「風邪」を寄せ付けないことがポイント。一方、ジュクジュクした症状の原因は「湿邪」が原因となるため、 余分な湿を排泄するため「脾胃」の機能を高めることも大切です。また、皮膚の炎症は、体内の熱を清することも改善につながります。

 

 このように、皮膚トラブルは、表面的な症状を抑えるだけでなく、 身体の中から改善していくことがとても大切。少し時間はかかりますが、日頃の養生を中心にしっかり体質を見直していきましょう。

 

 

春から夏の皮膚トラブル対処法

 

 これからの季節、気温はぐんぐん上がります。梅雨には湿気も多くなり、 皮膚のトラブルが悪化しやすい時期。気候の変化に応じて症状別の食養生を参考に体質改善を心がけ、 つらい症状をなるべく抑えるようにしましょう。

 

 

 

身体のあちこちに痒み 「風」(ふう)タイプ

風邪(ふうじゃ) が原因の初期症状

 

 皮膚トラブルの多くは、「風邪」(ふうじゃ) が引き起こすものと中医学では考えます。自然界から風邪が侵入すると、身体表面の機能が低下し、皮膚の「気・血」 の流れが悪くなることでトラブルが現れます。

 動く性質を持つ「風邪」(ふうじゃ)による症状は、 身体のあちこちに痒みがある、上半身に症状が出やすい、発疹が出たり治まったり症状の変化が多い、などが特徴。 皮膚トラブルの初期段階でもあるので、風邪の発散を心がけ、慢性化しないよう早めに対応してください。

 

主な症状:

・あちこちが痒くなる  ・上半身に症状がでやすい  ・ 症状の変化が多い

 

お薦めの食材:  

香りの良いもの、辛味のある食材で、風邪(ふうじゃ)の発散を心がけましょう。

油っこい食事はなるべく控えるようにしてください。

スイカズラの花(金銀花)、薄荷、菊花、しそ、三つ葉、 香菜

 

よく使われるのは: 消風散、十味敗毒湯

 

 

 

ジュクジュクするのは  「湿」(しつ) タイプ

身体に溜まった余分な水分が原因

 

 梅雨から夏にかけては湿気が増え、「湿邪」(しつじゃ) となって皮膚の症状を悪化させる大きな原因となります。

 体内の水分を調節する「脾胃」(消化吸収)の機能が低下していると、「湿邪」 が身体に入り込んでも、水分をうまく排泄することができません。そのため「湿」が皮膚にまってしまい、 皮膚トラブルを引き起こすのです。

 主な症状の特徴は、ジュクジュクする、下半身の症状が多い、慢性化しやすい、 など。また、湿がまると消化器系のトラブルも増えるため、食欲不振、口がネバネバする、軟便、といった症状も現れます。

 

主な症状:

・ジュクジュクした症状  ・下半身の症状が多い  ・慢性化しやすい

・食欲不振  口がネバネバ   ・ 軟便 

 

お薦めの食材:  

淡い味の食材、利水作用のあるものを中心に選んでください。

甘いものの食べ過ぎに注意しましょう。

はと麦、どくだみ、おおばこ、冬瓜、小豆、もやし、 緑豆・ 緑豆春雨

 

よく使われるのは: 瀉火利湿顆粒、勝湿顆粒

 

 

 

赤みや熱感のある  「熱」(ねつ) タイプ

夏の暑さで症状が悪化

 

 初夏から夏までの暑い時期は「熱邪」(ねつじゃ) による皮膚への刺激に注意が必要です。また、外気の暑さだけでなく、 イライラやストレスなどで体内に熱が発生しないようにすることも大切。熱が皮膚の表面に滞ると、 皮膚トラブルを引き起こすばかりでなく、症状が悪化する原因にもなります。身体の熱を取り除き、 症状をなるべく抑えるよう心がけましょう。

 主な症状は、皮膚の熱感や赤み、痛み、炎症、化膿など。また、熱によって、 口の乾き、尿が黄色い、便秘といった症状を伴うこともあります。

 

主な症状:

・皮膚の熱感、赤み、痛み、炎症  ・化膿しやすい(ニキビなど)

・口の乾き  ・尿が黄色い  ・便秘気味

 

お薦めの食材:  

苦み、涼性、利水作用のある食材で、身体の熱を取り除きましょう。

刺激のある辛い食事はなるべく避けるようにしてください。

ごぼう、苦瓜、レタス、すいか、豆腐、緑茶、 タンポポ茶

 

よく使われるのは: 黄連解毒湯、柴胡清肝湯、五味消毒飲

 

 

 

乾燥からくる痒み  「燥」(そう) タイプ

体内の潤い不足で皮膚が乾燥

 

 潤いは、皮膚を守る大切な要素。秋は空気が乾燥し、 皮膚表面ばかりでなく体内も潤い不足になりがちです。

 慢性的な皮膚トラブルがある場合は、 皮膚が弱く乾燥しやすい状態になっているので、特に気を付けましょう。

 乾燥の症状は、体内の「血」と「水」が不足し、 皮膚の潤いや栄養が足りなくなることが原因。毎日の食事で十分に栄養を摂り、身体の中の潤いを保つよう心がけてください。

 

主な症状:

・皮膚の乾燥、乾燥による痒み  ・口や鼻の乾燥、から咳  ・便秘気味   

 

お薦めの食材:  

潤いを与える食材、コラーゲンを豊富に含むものなどを選びましょう。

しっかり食べて栄養を摂るようにしてください。

ほうれん草、大根、りんご、なつめ、蜂蜜、豚の皮、白きくらげ

 

よく使われるのは: 潤肺糖漿、沙棘オイル

 

 

 

暮らしの工夫で、 良い肌状態を保ちましょう

 

 皮膚を良い状態に保つためには、 まず外からのトラブル要因を取り除くことがポイント。ホコリやペットの毛などが室内に溜まらないよう、こまめな掃除、 換気を心がけましょう。入浴で皮膚を清潔に保つことも大切です。その際、石けんは低刺激で保湿性の高いものを選ぶと安心です。また、 スキンケアも大切です。潤い成分として、高麗人参や当帰、紫根などの植物エキスにビタミンE、ヒアルロン酸などが配合された「瑞花露 (すいかろ)クリーム」などで、ていねいにお手入れしましょう。 

 おしゃれにもちょっとした工夫を。衣服は肌に優しい綿素材を選ぶ、 アクセサリーは素材選びや付け方に注意する、化粧を控えめにする、などを心掛けましょう。また、洗濯用洗剤も自分に合うものを選び、 衣類に残らないよう少量を使うようにしてください。

 身体を整えるためには、まずバランスの良い食生活を。 体内に毒素が溜まらないよう食物繊維などを多く摂り、便秘にならないよう気を付けましょう。また、甘いもの、油っこいもの、コーヒー、 アルコール、タバコなどは控えめに。

 そのほか、睡眠を十分にとる、 ストレスを溜めないといった生活の注意も大切なポイントです。これからは新緑の美しい季節。 緑が香る爽やかな空気をいっぱいに吸い込んで、毎日をいきいきと過ごしましょう。