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環境整備が進む「新しい北京」

2009.01.28

オリンピックを機に大きく発展した交通網

 

 オリンピック終了から4カ月、北京の広い道路を走る車の流れを見ると、ここ数年の急速な交通の発展に目を見張る。北京市は、 オリンピックスタジアム周辺を走る72本の道路や立体交差を新しく建設したほか、 市内各所で道路の補修、歩道橋の修理、橋梁の塗り替えなどを行った。また、空港高速道路の周辺を走る11本の道路にも、 整備や補修を行った。鉄道網においても、従来4路線だった地下鉄に、新たに、5号線、8号線、10号線、 そして空港に繋がる専用線4路線を開通させた。現在、北京の鉄道交通の総営業距離は、200キロメートルに達している。

 オリンピックのメインスタジアム「鳥の巣」に通じる地下鉄の利用客の一人は「これまでは、渋滞などもあり、 通勤に片道1時間半から2時間かかっていました。今は、地下鉄を使って30分で着きます」 と話す。

 交通網の整備は、オリンピックの開催をスムーズなものにすると同時に、 市民生活に快適なサービスを提供する機会になったようだ。

 新たな交通機関の整備は、周辺地域の経済発展にも影響を与えている。2008年8月に運転を開始した北京〜天津間の高速鉄道は、 最先端の技術を用いて開発され、最高時速は300キロメートルを超える。北京〜天津間の115.2キロメートルを従来の半分以下の30分弱で結び、 1時間当たりの最大輸送人員数は1万8千人を誇る。また、交通の発展にともない、駅などの建設も重要視されるようになり、 2008年8月には北京南駅がオープンした。

 一方、北京首都国際空港には、世界で最も大きな第3ターミナルが2007年末に完成し、2008年の2月、 3月の2段階に分けて稼動が開始された。さらに、空港南線と空港第二の2本の高速道路が新たに開通し、北京と中国全土、 そして世界との距離を縮めることになった。

 

青空と緑が増えた首都北京

 

 7年前から北京に住み始めたという一人の市民は、「北京に来たばかりの頃は、空はいつも暗くどんよりとしていて気が滅入りました。 それがわずか数年で、空は青く澄み、木々の緑も鮮やかになって、鳥の姿もたくさん見かけるようになりました。 広々とした北京の青空を見るたびに、深く呼吸できる快感を味わっています」と、感慨深げに話す。

 統計によると、北京で1年間に青空が見られた日数は、1998年に100日だったものが、2007年には246日と大きく増加した。

 北京の大気が浄化された理由には、市民の協力が大きく貢献している。まず、市の中心部で冬に石炭ストーブを使う家庭が減った。今まで、 石炭ストーブから排出された汚染物質は、大気を汚染するだけでなく、健康にも悪く、一酸化炭素中毒事故も多発していた。市では、 2003年から石炭を電気に変えるプロジェクトをスタートさせ、石炭ストーブの使用削減を市民と共に推進させた。

 さらに、コークス工場や製鋼工場などばい煙を排出する企業に移転を促した。

 自動車の排気ガス規制についても、 2008年7月からオリンピック期間中の臨時措置としてナンバープレートの末尾数字による走行制限を実施し、 一酸化炭素などの低減を示す測定結果を得た。その成果を継続するため、現在北京では「週に1日ノーカーデー」キャンペーンを行っている。 あるマイカー通勤者は「自動車走行制限に賛成します。週に1日はバスで通勤します」と環境改善への措置に理解を示した。

 青空日数の増加とともに、北京の大通り周辺の緑地や花壇の増加も注目される。オリンピックスタジアムや周辺道路の緑化はもちろん、 市内全域で公園や緑地を作るプロジェクトが成果を挙げている。2001年以降の緑化、植樹により、どの市民も家から500メートル歩けば、 公園や緑地に行けるようになった。

 このほか、北京市の取り組みは、水環境の整備や廃棄物対策、野生動物の保護など多岐にわたる。 2008年ローマで行われた大気に関する国際シンポジウムでは、イタリアの専門家から「北京がここ数年間で収めた大気の改善成果は、 かつてヨーロッパが20 25年かけて成し遂げたものに相当する」 と評価された。

 

市民生活に根付いたエコ意識

 

 北京オリンピックの準備期間であった7年間、市民の間に環境保護の意識が広く浸透した。 7年前に北京オリンピックの環境顧問廖暁義氏が創立した環境保護NGO 「地球村」は、他の19の民間組織と協力して、 ホテルのエアコンの設定温度を「冬は1度下げ、夏は1度上げる」というキャンペーンを推し進めた。さらに国際ノーカーデーに 「北京でマイカーを運転しない日」と題するキャンペーンを繰り広げ、20万人のマイカー所持者の協力を得た。

 民間環境組織「九次方」グリーンエコ連盟は、買い物時のマイバッグの使用や、各家庭での貯水桶の常備、省エネ・ エコ製品の使用推進などを提唱している。この提唱は、役所の環境部門、エコノミスト、環境保護企業、市民から多くの支持を得た。

 今、北京市民は徐々に環境保護を意識して行動するようになり、エコロジーはすでに北京市民の新しい生活スタイルとなっている。これは、 「緑のオリンピック」が、北京そして中国に残した最も大きな財産であるといえよう。