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寒い冬も元気に過ごす「冬の養生」

2008.12.20

冬の養生は「寒さ対策」と「養腎」が基本

「春は生じ、夏は長じ、秋は収し、冬は蔵する」。中医学では四季をこのように捉え、それぞれの特徴にあった養生法を考えます。

 冬は厳しい寒さで陽気が抑えられ、陰気が盛んになる時期。万物が静かに落ち着いている「陰」の季節にあたります。 活発な活動でエネルギーを消耗することは避け、「蓄える」ことを第一にゆっくり過ごす時期と考えましょう。

 また、冬の寒さは自然界の邪気「寒邪」となって身体に侵入し、さまざまな不調を引き起こす原因にもなるので注意が必要。 寒邪の侵入によって身体が冷やされると、カゼ、関節の冷えや痛み、四肢の冷えなどの症状が現れます。このような寒邪の侵入による症状を、 中医学では「外寒」といいます。

 これに対し「内寒」は、寒さによる陽気不足で体内の機能が低下し、身体に不調が現れるもの。腹痛や下痢、食欲不振といった「胃腸」 の症状のほか、胸痛、動悸など「心」の症状、息切れ、咳といった「肺」の症状などが多く見られます。

 また、五行学説で考えると冬は「腎」にあたるため、腎を養うことも大切です。腎は生命を維持するエネルギー源「精」を蓄えている器官。 腎の働きが活発であれば生命力も強くなり、元気に冬を乗り切れるのです。

 このように、冬の養生は「寒さ」と「腎」に対応することが大切。「養腎防寒」を基本に、しっかり体力を養いましょう。

 

外寒の症状 (寒邪の侵入)

寒さからくる「カゼ(風寒感冒)」

 カゼは「風邪(ふうじゃ)」が原因で現れる症状ですが、風邪はその他の邪気「寒邪」や「熱邪」「湿邪」「燥邪」 などと結びついて体内に侵入します。冬に注意が必要なのは、寒邪と結びついた「風寒感冒」。悪寒が強く、発熱、頭痛、身体の痛み、 無汗といった症状が特徴です。

 ぞくぞくと悪寒を感じたら、早め対応が肝心。身体をしっかり温めて、邪気を発散することを心がけましょう。  

<食の養生>温性のもの、辛みのあるもの、発散するものを中心に選んでください。三つ葉、 大根、 生姜、ねぎ、 白菜、 葛、身体が温まる鍋料理もおすすめ

<このタイプに用いる方剤>葛根湯、頂調顆粒

 

冷えに注意『関節痛』

 寒邪が侵入して身体が冷えると、関節の冷えや痛みといった症状が現れます。激痛を伴うこともあり、冷えると痛みが増すことも。

 この時期の関節痛は温めることで軽くなるので、とにかく冷えを取り除くことが大切。 顔色が青白くなることも特徴なので、冷えによる関節痛のサインと考え注意してください。

<食の養生>冷えを除き、身体を温め血行を良くする食材を選んでください。シナモン、 紅花、よもぎ、 温かい焼酎(少量のお酒)

<このタイプに用いる方剤>独歩丸

 

内寒の症状 (体内の陽気不足)

脾胃の陽気不足 <胃腸症状>

 内寒の症状の中でも多く見られるのが、脾胃の陽気不足からくる消化器系の症状。胃の冷え・痛み、お腹の冷え・痛み、下痢、 軟便といった症状が特徴です。

 胃腸の冷えを取り除いてしっかり温めることを心がけ、胃腸の働きを整えましょう。

<食の養生>胃腸の冷えを取り除き、温める効果のあるものを。

シナモン、黒砂糖、八角、かぼちゃ、大豆、山芋、山椒の実、鶏肉のささみ

<このタイプに用いる方剤>星火健胃錠、星火健脾散エキス顆粒、安中散

 

心の陽気不足<胸痛、動悸>

 寒さで心の陽気が不足すると、胸痛や動悸、息切れ、顔色の黒ずみといった症状が現れます。心は生命活動の中枢となる大切な器官。 狭心症などにつながることもあるので、症状の軽いうちにしっかり対応しておきましょう。血行を良くし、心を養うことがポイントです。

<食の養生>心を養い、血行を促す食材を取り入れましょう。

らっきょう、シナモン、赤ワイン(少量)、鶏のはつ

<このタイプに用いる方剤>冠元顆粒

 

肺の陽気不足<息切れ、咳>

 寒い時期に現れる息切れや咳などの症状は、肺の陽気不足が原因に。カゼを引きやすい状態でもあるので、顔色が青白く、 気になる症状があれば早めに対応しておきましょう。

 冷えを取り除いて温めること、全身のエネルギーを補うことをポイントに食材を選んでみてください。

<食の養生>全身の陽気を高め、身体を強くする食事を。

シナモン、 スッポン、 白きくらげ、豚肉(ヒレ)、生姜、ねぎ、百合根

<このタイプに用いる方剤>衛益顆粒

 

腎の陽気不足 <腰痛、めまい>

 寒さで腎の陽気が不足すると、腰の冷えや腰痛、四肢の冷え、めまい、耳鳴りといった症状が現れます。生命を維持するエネルギー源「精」 を蓄える腎。この腎を養って強い体質をつくることは、冬の養生の基本です。春に向けて、腎からしっかり体質改善をするよう心がけましょう。

<食の養生>精をつけて腎を補うもの、温性のものを選びましょう。シナモン、  くるみ、 黒ゴマ、 羊肉、 牛肉、 松の実

<このタイプに用いる方剤> 金匱腎気丸、杞菊地黄丸

 

寒い冬も明るく楽しく

 冬の寒さから身体を守る一番のポイントは、とにかく温かくすること。「頭」「背中」「足」の3ヶ所を基本に温めましょう。

 頭が直接冷やされると、頭痛などの原因になります。背中の冷えは、腰や背中、関節の痛みのほか、内臓の不調にもつながります。また、 足が冷えると呼吸器系に影響が出て、カゼをひきやすくなることもあるので注意してください。

 身体を温める身近な方法は、やっぱりお風呂。冬はちょっとひと工夫して、血行を良くする唐辛子や痛みに効く紅花、 冷えを改善するよもぎなどを入れるのもいいですね。

 服装もしっかりと保温できるよう工夫し、外出時にはのどを守るマフラーやマスクでカゼ予防をしましょう。

 もちろん暖房も効果的ですが、汗をかいてカゼをひくこともあるので、適度な温度設定を心がけてください。また、 時々換気をして部屋の空気を新鮮に保つこと、しっかり水分補給をすることも大切です。

 中国には「天寒、暖身、先暖心」という言葉があります。これは

”寒いときは、まず心から暖める“

ということ。寒い冬も明るく楽しく、ということですね。皆さんも冬の養生で元気に新年を迎え、家族や友達と楽しいお正月を過ごしてください。