中国の料理・人・生活や、中国のエリアのガイドなどをご紹介|中国の今と健康を伝える情報誌"チャイナビュー"

中国料理,中国の人,中国の生活,中国のエリアガイドを伝える情報誌です。

モンゴル族の新年の祝い 「白節」

2008.11.20

万物が甦る「白節」  

 モンゴル族は春節を「白節」、1月を「白月」と呼ぶ。モンゴル族は昔から白い色を尊び、白は高尚、和やか、神聖、正直、 率直という意味を持つ縁起が良い色とされているからである。万物が蘇ることへの期待を表して、新しい年が始まる正月を「白節」という。 白節はモンゴル族の最も盛大な祝日で、その準備は旧暦1215日から始まる。 人々はパオを掃除し、新しいミルク桶、フェルト、鍋、鉢などを用意する。

  小年(旧暦1223日)

 白節は旧暦1223日から始まり、 この日を「小年」と呼ぶ。この日は家族や友人たちと食事を楽しみ、「火神」を送る。昔からモンゴル族の人々は火を敬い、 火神が幸福と財産を授けてくれると信じ、「小年」の日に火神を祀るのが習わしだ。

 モンゴル族の火神は漢民族のかまどの神にあたるが、モンゴル族の火神は女性といわれ、「火神の母」と呼ばれる。 火神を祀る準備はすべて日没前に行われる。夜、草原に無数の星が煌めくとき、家族全員が集まり、 きれいに掃除されたパオに白いじゅうたんを敷き、火神の母に羊の胸骨、バター、煎り米、赤ナツメ、黒砂糖などを捧げる。女性たちは、 美しい衣装を身に着け、髪には真珠や瑪瑙など色とりどりの髪飾りを着けて、火鉢を囲んで立つ。一家の長の男性は伝統的な長い衣を着て、 火打ち器で火を起こす。火鉢の火力の勢いが盛んになると、全員でかまどの神を祀る歌を歌う。

  ビトゥーン(旧暦1230日)

 旧暦1230日から1月5日までの間は、 正月期間で最も楽しい日々である。1230日は一年の最後の日で、 漢民族は「除夕」と呼ぶが、モンゴル族では「ビトゥーン」という。1年がまた起点に戻ることを意味している。

  「ビトゥーン」の夜には家族全員がパオの前に集まって、火を燃やし、氷で作った灯籠を灯し、爆竹を鳴らす。餅、チーズ、 ヒマラヤスギ、 蒸留酒などを用意して火の周りを3周し、天の神様を祀る。そして、火神の母を拝み、 酒を勧めるなどして家へ迎え入れる。

 この祭祀が終わると、年長者から順に席につき、年少者は年長者に挨拶をし、酒を捧げ、祝いの言葉を述べる。そして、 一家揃って食卓を囲んで年越しの食事をする。

 食卓には肉や乳製品のほか、菓子、たばこ、酒などが並ぶ。なかでもビトゥーンの夕食に不可欠なのは「三鍋」と呼ばれる料理。 ミルク茶を入れた鍋、羊を丸ごと煮込んだ鍋、羊肉のスープで炊いたご飯の鍋の三つの大鍋が出る。また、バター、黒砂糖、小麦粉で作る 「新年餅」は1人1口と決められている。これは家族が仲良く暮らし、永遠に幸せな生活を送ることを意味している。

 ビトゥーンの夜は徹夜で歌ったり踊ったり、家族全員で楽しむ。

  正月元旦

 新年の朝を迎えると、各家に1〜2人の年長者または女性を留守番に残し、他の者は盛装でミルク茶を入れた銀製の壷を持ち「オボ祀り」 へ出向く。オボとはモンゴル語で「うず高く積まれたもの」という意味。供え物を火に投げ入れて一年の平安を祈る。家に戻ると、 年少者は父母や年長者に酒とハーダ(長い絹布)を捧げ、健康と幸せを祈る。朝食の後に、人々は三々五々、親戚や友人に新年の挨拶に行く。 部屋に入るとまず年長者に叩頭して新年の挨拶をし、健康と長寿を祈る。同輩の間ではハーダと嗅ぎたばこを互いに贈りあう。

 習慣に従い戸主の婿がお客に酒を勧め、注がれた酒は必ず飲み干さなければならない。飲みながら歌ったり踊ったり、さらに草地では競馬、 ラクダレース、相撲などに興じて一日が暮れる。

  正月15

 正月15日は白節のもう一つの山場。 この日、どの寺院でも太鼓やラッパを交えたにぎやかな音楽が鳴り響く。頭上に法帽を被った大ラマ僧の読経と、 仮面をつけて天王・ 菩薩・牛頭・馬頭などに扮したラマ僧たちが、祭壇で踊ったりする。人々は朝早くから寺院を訪れ、 祈祷を受ける。

 この15日が終わると、 正月も一段落となり、人々の多忙な一年が再び始まるのである。