目の疲れや症状は、「肝」の不調から
目の疲労感や乾きといったさまざまな症状は、五臓六腑との密接な関わりの中で現れるもの。中医学の医学書にも「目には五臓六腑の精気 (生命の源となる力)が集まり、その力によって物をよく見ることができる」という記述があり、その密接な関係を表しています。
特に深い関わりがあるのは、血の貯蔵庫である「肝」。「肝は目に開く」ともいわれ、肝で蓄えられた血は”目の栄養源“となっています。 目を使うと血は消耗されますが、酷使して血の消耗が激しくなると、目に栄養が行き届かず疲れや痛みなどの症状が現れるのです。
また「肝腎同源」といわれるように、「腎」は肝をバックアップする臓腑。肝の機能を高めるためには、腎を強くすることも大切です。
眼精疲労やドライアイといった目のトラブルは、多くの人が抱える悩み。軽い目の疲れでも、頭痛や肩こり、イライラ、 鬱といった症状につながることもあります。また、肝臓や胃腸などの病気が原因になっていたり、 糖尿病などの初期症状として現れることもあるので、いずれにせよ軽く考えて放置するのは禁物。日頃の養生で目をいたわり、 症状に気付いたら早めに対応するよう心がけましょう。
タイプ別、目の養生法
「肝血虚」タイプ 血の不足が目の疲れの原因に。 女性は要注意
目の使い過ぎで血を消耗したり、月経や出産、病気などで血が必要以上に失われたりすると、肝に蓄えられる血の量が不足する「肝血虚」 の状態に。また、先天的な虚弱体質、ストレスや心身の疲労、胃腸障害、過度なダイエットなども血の不足につながります。
血が不足すると目に十分な栄養が行き届かず、視力の低下、目の疲労、乾燥といった症状が現れます。
肝血虚の状態になると、目の症状のほか、めまい、手足のしびれや冷え、不眠、顔色につやがない、月経の量が少なく、髪が乾燥してパサつく、 髪が薄くなる、といった症状が見られるので、気になる症状がある人は要注意。また、女性に多く見られる症状で、 特に生理時には強く症状を感じることもあります。
このタイプの養生は、まず肝を補って機能を高めることが大切です。血を増やして流れをなめらかにし、 目に十分な栄養を与えるようにしましょう。
<食の養生>血を養い、目に栄養を与える食材を取り入れましょう。ぶどう、 レーズン、ブルーベリー、くこの実、なつめ、レバー 、にんじん、ほうれん草 、菊花茶
★ このタイプに用いる方剤:婦宝当帰膠
「肝鬱」タイプ ストレスやイライラが 肝の機能低下に
ストレスがまったり、イライラや鬱気分が続いたり。そんな精神トラブルを抱えていると、全身に栄養を運び、 老廃物を回収する肝の機能が低下し、気のめぐりが滞ってしまいます。その結果、目に精気が送られなくなり、目の痛みや疲れやすさ、 視力の低下といった症状が現れます。
精神的なストレスが強くなるほど、目の症状も強くなるのが特徴で、目の症状のほか、頭痛や肩こり、イライラしやすい、不眠、不安感、月経痛、 月経不順といった症状を伴います。
肝鬱タイプの養生は、肝を養い、ストレスを発散することで肝の機能を回復することが基本。ストレスやイライラを感じやすい人は、
うまく発散してめ込まないように心がけましょう。
<食の養生>
ストレスや鬱気分を発散するお茶や、涼性の食材がポイント。
ハマナスの花茶、ジャスミン茶、桑の葉茶、緑茶、ハブ茶、ハッカ、あわび、 さざえ、あさり
★ このタイプに用いる方剤、生薬:加味逍遙散、菊花
「肝腎陰虚」タイプ 中高年に多い症状。 慢性病や老化で腎が弱い
慢性病や老化、長引く肝血虚の状態などが原因で、肝と腎の陰液(体液)が消耗しているタイプ。白内障など目の病気にかかりやすくなり、 症状が長期化することもあります。目の疲労感やかすみ、視力の低下など、眼精疲労の症状がはっきりと現れるのも特徴。
それに伴って、腰痛や耳鳴り、難聴、物忘れ、手足のほてり、口の渇きといった症状が現れます。
肝と腎は「肝腎同源」といわれるほど密接な関係にあります。肝は腎に養われていて、肝の機能を回復するためには、
腎も強くしなければなりません。そのため、肝腎陰虚タイプの養生では、肝と腎、両方の陰液を補いながら、機能を高めます。

このタイプは、特に閉経後や50歳以上の中高年に多く見られます。 思い当たる症状がある人は、日頃の生活の中で肝腎を整えるよう心がけ、目の働きを高めましょう。
<食の養生>
腎の機能を補い、目に栄養を与える食材を摂るようにしましょう。
ごま、くるみ、松の実、桑の実、山芋、羊のレバー、うなぎの肝
★ このタイプに用いる方剤:杞菊地黄丸
疲れ目の体操
両手の親指を耳の後ろのくぼみ「翳風」というツボに当てながら、人差し指か中指で図のツボをマッサージしましょう。 各8回ずつくらいが目安です。



