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心身の中から潤いを! 秋の養生法

2008.09.20

秋は「燥邪」の季節。呼吸器の不調に要注意

 厳しい残暑もようやく終わりを告げ、季節はすっかり秋めいてきました。夏に比べるとずいぶん過ごしやすくなりますが、 気持ちのよい爽やかなこの季節にも体調を崩す要因は潜んでいるので油断は禁物。中医学では、人間の身体も自然界の影響を強く受けていて、 自然とのバランスを保つことで健康を維持できると考えます。季節の移り変わりがはっきりしている日本では、 四季それぞれに身体に受ける影響を考え、対応していくことが大切です。

 では、秋に気をつけたい健康のポイントを、中医学の基礎となっている「五行学説」から考えてみましょう。まず、 秋は空気が乾燥しやすい時期なので「燥」の季節にあたり、「燥邪」の影響を受けやすくなります。燥邪の影響を一番受けやすい臓器は「肺」。 肺は、鼻やのど、気管支などとつながっているため、特に「肺」を中心とする呼吸器系の不調に注意が必要です。

 そのほか、秋にあたる「大腸」「皮膚」なども燥邪の影響を受けやすくなっているので、不調のサインを見逃さないようにしてください。

 中医学では、現在の体調は一つ前の季節の養生によってつくられるものと考えています。秋に身体を整えることは、 冬を元気に過ごす準備にもなります。寒い冬に備えるためにも、心身ともに今からしっかり養生しましょう。

 

肺の特徴は「喜潤悪燥」。秋の養生は潤いがポイント

 肺は、清気(酸素)と濁気(二酸化炭素)を交換する呼吸機能だけでなく、水分代謝を調節する機能、体温調節機能、 外邪を寄せつけない免疫機能といったさまざまな役割を担っています。健康な肺は体液や血液といった「陰液」で潤っていますが、 これらの機能は、肺が十分に潤っていることでバランスよくその役割を果たしています。

 しかし、夏バテで栄養が十分に摂れていなかったりストレスが溜まっていたりすると、身体の免疫力が低下し、 肺は燥邪の影響を受けやすくなってしまいます。燥邪によって潤いが不足すると、肺の機能が低下し、身体全体にさまざまな不調が現れるのです。

 肺が燥邪の影響を受けると、のどや鼻の乾燥、乾いた咳、粘りのある痰、口の渇きといった呼吸器のトラブルのほか、 皮膚の乾燥やかゆみを感じたり、体内の潤い不足から便秘しやすくなったりすることも。

 このような症状を感じたら、身体が燥邪の影響を受けているサインです。潤いを好み、乾燥を嫌う「喜潤悪燥」という肺の特徴を考え、 日頃の養生で身体の中から潤いを補い、早めに改善するよう心がけましょう。

 

こんな症状を感じたら…「乾燥の5つのサイン」

1。のどや鼻の乾燥

  のどや鼻は肺とつながっているため、肺が燥邪の影響を受けると乾燥や痛みなどを感じます。

2。皮膚の乾燥とかゆみ

  肺は皮膚と深い関わりがあるため、乾燥や、乾燥によるかゆみの症状が現れやすくなります。

3。咳、痰が出しにくい

  カラ咳、痰に粘りがあって出しにくい、といった症状が出て、喘息につながることもあります。

4。口の渇き

  燥邪が身体の水分を消耗するため、口の中に乾燥を感じます。

5。便秘気味

  肺と大腸は深い関わりがあるため、大腸も潤いを失って便秘しやすくなります。

 

秋の食養生

「燥邪」と「肺」の対策が、秋の養生のポイント。毎日の食事で燥邪を発散し、身体の内側から潤いを補給しましょう。

<辛味> 「辛散燥邪」という言葉があり、辛味が燥邪を発散してくれます。 秋の風邪予防にも効果があります。食材としては、

しょうが、ねぎ、白菜、大根、三つ葉、しそ、ハッカ、菊花、くずきり

 

<潤性>肺を潤す食材には、 咳や肌の乾燥をふせぐ効果があります。美容にもよいので、普段の食事でも意識してみてください。

咳によい食材-ごぼう、れんこん、銀杏、百合根、梨、杏仁、みかん類

肌によい食材-鶏の手羽先、皮、軟骨など、鶏がらスープ、白キクラゲ、ごま、なつめ、豚足、はちみつ

 

秋の養生に用いる方剤: 麦味参顆粒、麦門冬湯、杞菊地黄丸、 八仙丸