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アラーにささげる盛大な祭り コルバン祭

2008.09.20

イスラムの重要な祝日

 

 コルバン祭は、アラビア語で「エイド・コルバン」という。エイドは「祝日」、コルバンは「犠牲、献身」を意味しており、「犠牲祭」 ともいわれる。

 言い伝えによれば、大昔、アラビア半島北部に住んでいた人々の祖先とされる預言者イブラヒム(アブラハム)が、ある夜夢の中で、 アラーへの忠誠の証に息子のイスマイルの命を捧げるよう啓示を受けた。イブラヒムが息子を連れて山へ行き事を為そうとしたそのとき、 彼の忠誠心を知ったアラーは、天使をつかわして一頭の羊を送り、それを息子の代わりに生贄とさせた。そののち、 毎年この日にアラビア人は羊をアラーに捧げるようになったという。

 コルバン祭はイスラム太陰暦の1210日に行われる。 イスラムの人々は太陽暦と太陰暦を併用しており、太陽暦は農業で使われ、一年が365日または366日で、西暦とほぼ同じ。 太陰暦は宗教行事で使われ、一年が354日または355日で、太陽暦と11日の誤差が生じる。 このため、コルバン祭の西暦での日時は毎年一定ではなく季節も変わる。

 伝統的なしきたりによって、コルバン祭の前には、人々は家をきれいに掃除し、「生贄」とする家畜を用意する。主婦たちは揚げパンやナン、 お菓子などをたくさん作り、親戚や友人、遠方からの客のためにごちそうを用意し、新しい服も作っておく。

 コルバン祭当日の朝、人々は沐浴をし、盛装をしてモスクへ礼拝に行く。家に戻ると、まず牛や羊を殺し、肉にしてご飯の準備をし、 貧しい者に喜捨したり客をもてなしたりする。生贄を牛にするか羊にするか、あるいは鶏にするかは、家の経済状況で決まる。通常、 人々は祭りに家畜を殺し、大きな骨付き肉の塊を鍋で煮る。それから女性たちは、ごちそうやお茶を用意して客を迎える準備をし、 男性は互いに新年の挨拶を始める。

 

民族の絆を深め礼儀を守る

 

 挨拶は、まず最近不幸があった親戚を訪れる。次に夫婦双方の両親に挨拶したのち、近所の人や年長者に新年の挨拶をする。 両親に挨拶するときには夫婦で一緒に行くが、ほかは別々に行く。ウイグル族の風習では、一般に男女が行動を共にすることはない。最後に同輩の友人たちが互いに挨拶し、 仲たがいしていた者同士も祝日の挨拶をして隔たりを取り除く。また、一緒に飲んだり食べたり、楽器を演奏して歌ったりもする。 これらはウイグル族の社会関係を強め、礼儀を守るための重要な要素となっている。

 コルバン祭のときには、都市でも農村でもウイグル人は広場で盛んにマシュラプ(舞曲)を舞う。

 広場の周りには各種屋台が設けられ、木の机、手押し車、じゅうたんなどの上にさまざまな食べ物が所狭しと並べられる。

 また、カザフ族、キルギス族、タジク族、ウズベク族などは、馬上競技や競馬、相撲などを行って祝日を楽しむ。

 一般にウイグル人は客人をとても大切にする。客を上座に座らせ、料理を出す前には必ず手洗い用の水を客の席まで持っていく。客は、 できるだけ食べ物を残さないようにする。食事が終わると年長者の指導の下にモスリムの食後の祈りをし、 客は主人側が食器を片付け終わるまで席を離れない、というのが決まりごと。 ウイグル人が伝統や礼儀を大切にしていることは食事の作法にも現れている。