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巨大ダムが築かれた 「長江三峡」

2008.05.20

偉大な三峡プロジェクト 

 長江流域は中華民族の発祥地の一つである。豊かな資源に恵まれ、特に中・下流域は土地が肥沃である。しかし、 長江の下流は両岸の土地より6? 10m高い 「天井川」であるため、増水期には頻繁に氾濫した。記録に残ったものだけでも、漢代から200回以上も洪水による多大な損害をもたらした。

 1918年、 民主革命の先駆者孫文が、三峡開発、水運整備、水力発電という構想を提唱したように、長江の治水と開発こそ、 中華民族にとって長年の悲願であった。

 1994年、 その悲願の三峡地域における水利開発の国家的プロジェクトが着工した。

 三峡ダムは、湖北省宜昌市の上流、西陵峡の中部に設けられている。建設地は地震の影響を受けにくい硬い花崗岩の地質で、 水力発電施設の建設に適している。

 この巨大な三峡プロジェクトは完成するまで15年を要している。 工期は三期に分けて施工され、現在、第一期、第二期工事は完了。第三期工事は2009年に終了予定。

 ダムに近い展望台に立つと、ダムの排水口から水しぶきを飛ばしてごうごうと流れるその轟きは、観光客の声をものみこんでしまう。 雄大な水の流れを前にして、人間の姿はけし粒のように小さな存在に見える。

  「三峡ダムの堤防は、高さ185m、 全長約2300m、 完成後の年間平均発電量は8468000万キロワット。 ダム建設によって、113万人以上の住民が立ち退きました」 と、スケールの大きさを関係者は語る。

 

三峡プロジェクトのテーマは、洪水防止、水力発電、水運 

 三峡ダムの貯水池は総容量393億立方メートル、 全長600km、 長江上流の豪雨の際には水位をコントロールし、長江の中・下流域の平原地帯に住む1500万人と150万ヘクタールの人と耕地を洪水から守ることができる。 このため、三峡ダムは長江の洪水防止プロジェクトの最も重要な施設でもある。

 また、水力発電は70万キロワットの発電容量を持つ26台の発電機をダムの左右の2つの発電所に据え付ける予定で、 完成後には中国の新たなる巨大エネルギー源となる。

 2003年から現在まで、 すでに21台の発電機が稼動している。 2008年末には、 26台すべてが稼動する見込みだ。 そのときの年間平均発電量は、8468000万キロワットに達する。 その発電量は、容量200万キロワットの大型火力発電所10カ所の出力に相当する。

 クリーンなエネルギー源の三峡水力発電所の完成によって、多くの火力発電にとって替わり、 地球温暖化の元となる二酸化炭素などの排出量が減り、環境を保護することが可能となる。

 三峡プロジェクトの完成後、上流にある重慶地域から漢口までの航行が改善され、航行輸送量(片道) は年間1000万トンから1億トンに。 現在、1500トン級の船舶しか通航できない航路も、 1万トン級の船団が重慶から漢口や上海にまで通航できるようになる。 しかも運輸コストは35% 減。水運事業の発展に大きく寄与する。

 

完成間近、世紀の大プロジェクト 

 ダムが完成すると、雄大で美しい三峡の景勝地も水没してしまうのだろうか?

 三峡プロジェクトの三峡の自然風景への影響はそれほど大きくない。三峡ダムは西陵峡の中・上流にあり、建設工事は瞿塘峡、 巫峡と西陵峡に影響を及ぼしたが、三峡両岸の美しい峰々の高さは海抜1000? 1500mと高く、 川幅は150? 200mと広い。 冬季の渇水期に、三峡ダムは貯水によって水位が70mから80m上昇するが、 3つの峡谷の雰囲気は変わらない。巫峡の神女峰(海抜922m) を眺めるためには、やはり見上げなければならず、雄大で険しい瞿塘峡の風景と奥深く美しい巫峡の風景は変わることはない。 しかし、「古桟道」「雲陽張飛廟」などの旧跡は、水底に沈んでしまう。現在、国は専門家を組織して保存措置をとっている。

 三峡プロジェクトの建設、ダム区の観光資源の開発にしたがい、三峡区間の奥深い峡谷にある新しい観光スポットが続々と出現している。 これまで交通手段がなく行けなかった奥深い景勝地にも、船で行けるようになった。

 現在、総面積約15平方kmの壇子嶺公園、 185m公園、 ダムの展望台などの三峡ダム観光区は、すでに建設が終わり開放されている。 内外から観光客は毎年15? 20% のスピートで増加。すでに約500万人を迎えている。

る。観光客は高さ185mの堤防に登り、 間近に水門から怒涛のごとく噴き出す水を眺めることができる。晴れた日には、その流れの上にかかる美しい虹も見ることができ、 そよぐ風のなかにかすかな酒の香りが漂っていて、人々をうっとりさせる。これは、「185m公園」 のすばらしい風景だ。

三峡水力中枢工事が完成したときには、排水口からの水がつくる大瀑布は、三峡観光コースには欠かせないスポットとなるだろう。