女性の身体は「血」が基本
妊娠・出産という大切な役割を果たす女性の身体には「月経」という生理的な特徴があり、そのため女性の健康は「血(けつ)」 と密接に関わっています。
「血」は身体をつくる3要素「気・血・水(き・けつ・すい)」の一つで、基本的に血液のこと。中医学では、 人間の生命活動はこの3つの要素によって成り立っていて、 これらがバランスよく機能することで心身ともに健康な身体が保たれると考えます。
血は全身をめぐって、五臓六腑や皮膚、骨、筋肉などさまざまな組織・器官に栄養を与えたり、潤したり、 また月経によって身体の老廃物を取り除いたりしています。血の量が充分にあって滞りなく働いているときは身体も健康で、 精神的な活力も高まります。しかし、血が不足したり、血の流れが滞ったりすると、冷え症や月経不順、月経痛、貧血、肌荒れ、情緒不安定など、 さまざまな病気や症状が現れるのです。
女性が心身ともに健康でいるためには、この血を上手に整えることが不可欠。家庭で、職場で、毎日をいきいきと元気に、 そして美しく過ごすためにも、日ごろの養生で体をいたわり、健康な状態を保つよう心がけましょう。
カラダの健康 血の
「栄養」機能を整える
豊富な栄養作用を持っている血は、全身をめぐって身体のすみずみにまで行き渡り、各組織・器官に栄養分を与えています。
この「栄養機能」が上手く機能しているときは、顔色もよく、頭もすっきりと冴え、身体も疲れにくく、月経も正常で髪のツヤも良い状態です。
反対にこの機能が低下すると、顔色が白くなり、動悸やめまい、身体の疲労感、記憶力の低下、月経不順、白髪、脱毛、 といった症状が現れます。
身体を元気な状態に保つためには、不足している血を十分に補い、栄養機能を整えることを心がけましょう。
<食養生>
甘みのあるもの、色の濃いものなど、血を補う食べ物を取り入れましょう。
なつめ、くこの実、にんじん、ほうれんそう、黒ごま、黒砂糖、鶏肉、豚肉、ひじき
★ 用いられる方剤: 婦宝当帰膠
お肌の健康 血の 「潤い」を与える機能を整える
身体のすみずみまでめぐって栄養を届ける血には、「潤い」も豊富に含まれています。血が十分にあれば、身体を潤すことが期待できるのです。
この機能を「滋潤機能」といい、滋潤機能が正常に働いていれば顔色のツヤは良く、
肌も潤うためシワもできにくくなります。また、身体の内部や関節にも潤いを与えるので、手足や腰の動きもスムーズです。
滋潤機能が低下すると、顔色にツヤがなく、肌や髪も乾燥しがちに。また、目や口も乾きやすくなり、便秘に悩まされることも多くなります。
血の潤いを十分に保つためにも、水分を多く含んだ食べ物、血を増やす効果のある食べ物などを食事に取り入れてみてください。
<食養生>
血を増やす食べ物、水分の多い果物など。果物は皮ごと食べるとより効果があります。
白きくらげ、バナナ、りんご、桃、びわ、海藻類、豆腐、玉子、
オリーブオイル、ごま油、豚皮、鶏の手羽先、鴨肉、蜂蜜、お茶
★用いられる方剤・生薬:
婦宝当帰膠、何首烏、沙棘
ココロの健康 血の
「安静」機能を整える
血は陰陽の「陰」にあたることから、「静」の特徴を持っています。このため、血には精神状態を安静に保つ働きもあるのです。
安静機能が正常であれば、情緒はいつも安定していて、良い睡眠をとることができます。月経前後の精神的な不安もあまりありません。
反対に安静機能が低下すると、情緒不安定になって落ち込みやすく、ストレスにも敏感になります。眠りが浅い、眠れない、 といった睡眠障害も起こりやすく、月経前後の不安も感じやすくなるので注意しましょう。
心の健康を保つためには、血を補うことはもちろん、ストレスやうつ状態を解消することを心がけることが大切です。
<食養生>
香りのよいお茶や香草などで、ストレスやうつの状態を解消させましょう。
小豆、百合、小麦、菊花茶、ジャスミン茶、はまなすの花茶、ミントティー
ラベンダー茶、みかんの皮、せり、三つ葉、コリアンダー
★ 用いられる方剤・生薬:天王補心丹、加味逍遙散、シベリア人参
日々の食養生はもちろん、毎日を気持ちよく元気に過ごすために、生活の中でもちょっとした工夫をしてみましょう。
まず、食事はなるべく温かいものを。身体をなるべく冷やさないようにしてください。毎日少しでも外出するよう心がけるのも良いですね。 外の新鮮な空気を吸って、街路樹の緑を眺めるだけでも気分がスッキリします。気の合う友達とおしゃべりを楽しむ時間もストレスの発散に。
また、入浴も心と身体のリフレッシュに効果があります。気分に合わせてアロマオイルや入浴剤の香りを楽しんでみてください。
女性が健康でいきいきと輝いていれば、家庭の雰囲気も明るくなり、社会ももっと元気になるはず。 忙しい日々の中でもちょっと自分の身体を振り返り、病気や体調不良を寄せ付けないよう、体調を上手に整えましょう。



