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漢方の知恵袋 「花粉の季節をラクにすごす」

2008.02.20

前回お話した「かぜ」の原因と同じように、中医学では花粉症もまた「風邪(ふうじゃ)」の侵入によって起こるものと考えます。 風邪が花粉を運び、寒邪や熱邪と結びついて体に入り込むことで、花粉症が引き起こされるのです。「風寒」の症状は、 寒さの残る初春の頃に冷えやすい体質の人に多く、「風熱」は暖かい晩春に暑がりの人に多く見られます。また、 症状もかぜの初期症状と似ていて、鼻水や鼻づまり、のどの痛みなどとなって現われます。

 体質の面から考えると、体の抵抗力が不足している「気虚」の状態にある人は、花粉症にかかりやすくなります。特に呼吸器が弱い「肺気虚」、 消化器が弱い「脾気虚」の人はアレルギーの症状が出やすくなるので注意しましょう。中医学では、肺は鼻や皮膚とつながっていると考えます。 そのため、肺の機能が弱くなると皮膚の防御機能が弱まって邪気が入りやすくなり、鼻水や皮膚のかゆみ・赤み、目のかゆみ(白目も肺に属する) といった症状が現われるのです。また、水分を全身に運ぶ脾胃の働きが弱くなることも、多量の鼻水や鼻づまり、 まぶたの腫れといった症状を引き起こす原因となります。

 

花粉の季節を乗り切る タイプ別養生法

 

「寒」の花粉症

  「風寒」の侵入で起こる「寒」の花粉症は、かぜの初期と似た症状が特徴。体が冷え、顔色も白く、透明で水っぽい鼻水がでるのが特徴です。口が渇くことはありません。

 冷えを取り除くことが大切なので、コーヒーやお茶を飲んで体を温めるようにしましょう。しそ茶やシナモンティー、こぶしの花のつぼみ (辛夷)をお茶に入れたハーブティーなど、香りの良いお茶を楽しむのがおすすめです。体を温めながら花粉を洗い流せるお風呂も効果的なので、 ゆっくりお湯につかるようにしてみてください。     

                  ★ このタイプに合う中成薬:小青竜湯

 

「熱」の花粉症

  「風熱」の侵入で起こる「熱」の花粉症は、かぜの初期・中期と似た症状が現れます。顔色は赤っぽく、黄色く濃い鼻水や痰、 口の渇き、 目の充血、皮膚の赤みなどの症状が特徴です。

 熱をとる働きのあるどくだみ茶や、熱っぽさをすっきりさせるミントティー、菊花茶などを飲むようにしてみましょう。また、中医学では 「石持」という魚の頭骨内にある魚脳石を鼻の薬として使用します。魚の身を食べても効果が期待できるので、塩焼きやムニエル、 昆布じめなどをメニューに加えてみてはいかがでしょうか。   

 ★このタイプに合う中成薬:  鼻淵丸・ 天津感冒片

 

 

「湿」の花粉症

 栄養分や水分を消化吸収して全身に運ぶのが脾胃の役割。「湿」の花粉症は、脾胃の働きが弱くなり水分をうまく運化できず、 体内の水分バランスが偏ってしまった状態です。多量の鼻水やまぶたの強い腫れが特徴で、食欲不振や舌苔が多いといった症状も現れます。

 過剰な水分を取り除くことが大切なので、利水効果のあるハトムギ茶や菖蒲茶、びわ茶(びわの葉のお茶)を飲んだり、春雨やモヤシ(緑豆) を料理に取り入れたりと、工夫をしてみてください。

 

「虚」の花粉症

  「虚」の花粉症は、疲れやすい、倦怠感を感じる、汗が多い、かぜを引きやすい、といった症状が特徴。 このタイプの花粉症は長期間にわたることが多いので、体力の消耗にも注意が必要です。 憂鬱な気分になったり仕事に集中できなかったり、 という状態にもなりやすいので、肺や脾胃を強くして体力を補い、 なるべく症状を抑えるように心がけましょう。

 脾胃を補い水分のめぐりを良くする大豆製品(豆腐、湯葉など)や

インゲン豆、黒豆、肺を補う白キクラゲや山芋、体を補う杜仲茶やクコ茶などを毎日の食事に上手く取り入れてみてください。

     ★このタイプに合う中成薬:衛益顆粒・ 補中益気湯

 

体質改善で花粉症は軽くなる

 

 花粉症に対処するためには、症状だけを抑えても根本的な解決にはなりません。アレルギーを起こさない体質へと変えていくことも大切です。 そこで中医学では、鼻水やくしゃみなどのアレルギー症状を抑える「標治」と、体質を改善する「本治」を併せて行います。

 花粉症の症状は、かぜの初期症状とよく似ているので、中医学では標治にかぜの治療法を用います。また、多量の鼻水や鼻づまり、 涙目などの水分バランスの異常が主な症状なので、水分の偏りを解消し過剰な水分を取り去る「利湿」作用の強い中成薬を用います。