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伝統の絞り染め 「周城の藍染」

2008.01.20

歴史ある絞り染めの村「周城」

 大理から北へ約23km、 約1万人が住む周城は、人口の99% をペー族が占める村である。石畳が敷き詰められた村には至るところに工房があり、絞り染めの故郷として名を馳せている。 絞り染めは、古くから世界各地にみられる染色技法で、日本でも京絞りや有松・鳴海絞りなどが有名だ。 日本の絞り染めも歴史が古く、正倉院の御物に残されている。

 古代中国では絞纈・撮纈と呼ばれ、史書によると、後漢の時代、すでに大理の地に染めの技法があったことが記されている。 千年前の唐代に最盛期を迎えた絞り染めは、民間に流行したばかりか、皇帝に貢ぐ献上品ともなっていた。

 周城の絞り染めは、ほとんどが家庭工房で作られている。

  「絞り染めは、絞り、浸し染め、洗い晒しの3つの工程があります。まず、 吸水性がよく柔らかな綿や麻の生地を選んで模様を描き出し、 次に模様に沿って針と糸でしっかりとくくり、生地に”おでき “のように見える丸い突起を作ります。このため、絞り染めは(=おでき)染め、 絞り染めの布は花布などとも呼ばれます」と、 絞り染め歴40年の村の女性は言う。 2番目の工程は浸し染め。藍の染液が入った甕に布を浸し、棒でかき混ぜる。

 最後に、染め上がった布地を水の入った桶に入れ、何度も洗い流して竹竿に干す。 「これで3番目の工程も終わりです」。布地が乾いてから縛った糸をほどき、布地を平らにすると、 紺色のなかに白い花模様が点々と浮き出てくる。模様がにじむように青の濃淡ができ、淡い紺色や青い所もあり、 変化に富む色彩を見せている。

 

蝶に込められたペー族の願い

 たくさんある絞り染めの図案のなかで、周城の人々に最も好まれている図案は蝶。蝶がよく使われる理由には4つあり、人々の蝶に対する愛情をうかがい知ることができる。

 1つ目は、蝶が多産と母性の象徴であること。それは、蝶が数え切れないほど卵を生むためで、子宝に恵まれるとして崇められている。 ペー族には「母親の乳房を痛めるので蝶結びをしてはいけない」という古いしきたりがある。

 2つ目は、蝶が美の象徴であること。薄くて美しい羽、目にも鮮やかな色彩は多くの人の心をとらえる。ペー族は陽気で楽天的な民族性を持ち、 美しさや幸福を追い求めてきた。彼らが理想の象徴として蝶を図案に使ってきたのも不思議ではない。

 3つ目は、周城に蝶にまつわる悲恋の物語が伝わっており、蝶が愛情の象徴でとされている。

 4つ目の理由は、蝶が吉祥と好天の象徴であることだ。