「八段錦」という気功法は、 日本ではあまり馴染みがない名前ですが、『中国気功功法大全』によれば、中国でもっとも完成度が高く、800年以上の歴史がある気功・ 健康法といわれています。
気功は大きく分けると、鍛錬により体内で 「気」を コントロールする内気功と、外気を発して他人の治療などを行う外気功があり、八段錦は内気功の中の動功のひとつです。 ゆっくりとした大きな動きが特徴で、それぞれが胃腸・心肺・脾臓・腎臓などの内蔵や、筋肉、自律神経の活性化と鍛錬に関連しています。
八段は 「8つの動作」、錦は 「珍しく貴い」 を意味しており大極拳が24の連続した動きであるのに対し、八段錦はそれぞれの動きが独立しているため、 健康維持やストレス解消、シェイプアップなど、自身の目的に適した型を選んで行うこともできます。そのため、老若男女を問わず、 自分の体力や体調に合わせて続けることができます。また、すべての動作を行なっても10~15分ほどしかかかりませんので、 日常生活に気軽にとりいれることができ、忙しい方にもピッタリの現代に適した養生法といえるでしょう。
ダンベル運動を毎日続けていくと筋力がつくように、 八段錦も継続することによって内臓が鍛えられ、自律神経のバランスを整えることができます。まずは、リラックスし、 自然な呼吸で体を動かしていきましょう。徐々に深呼吸をしながら動きを合わせていくと、自然に腹式呼吸の動きになります。
そして十分に慣れてきましたら、逆腹式呼吸(息を吸って、お腹をへこませる) を行ってみましょう。実は逆腹式呼吸は、気功鍛錬において重要な位置を占めています。
「第2の心臓」という言葉をご存知でしょうか。心臓は、 全身に血液を送り出すポンプの役割を担っておりますが、その働きが衰えると、 末端まで血液が行き届かずに気滞 血や各臓腑の発病に繋がってしまうことがあります。
逆腹式呼吸による腹腔の収縮と拡張は、 第2の心臓の作用を果たすと言われており、体に次のような働かけをします。
1.腹腔内の気血の流れを良くし、 各臓腑に血液をスムーズに行き渡らせる。
2.気滞お血や、各臓腑の発病を減少させる。
3.消化不良や便秘、 慢性胃炎疾患に効果が期待できる。
4.ストレス解消や老化防止に作用する。
このように健康に大きな効果がある逆腹式呼吸ですが、 腹腔内の気圧を高めるため、空腹時や体調不良、まだ運動に慣れていないうちは無理は禁物です。体を動かす心地よさを大切にし、 楽しく行っていきましょう。

第一段錦 「双手托天理三焦」
1. 足を開いて自然に立ち、
手のひらを上にして指を組み、息を吸いながら上へ持ち上げていきます。
2.肩の高さまで上げたら、
組んでいた手を手前に回して手のひらを下に向け、息を吐きながら下腹部まで下ろしていきます。
3. ふたたび、息を吸いながら手を頭の上へ上げていき、額の前で手Aa外に向け、そのまま上体を気持ちよく伸ばします。



