古代中国の名医が創始した健身気功
「五禽戯」とは、 日本では耳慣れない名称かもしれませんが、 中国で2002年末に健身気功全体の委員会の承認を得て中国政府からも認められた四大健身気功のひとつです。 その起源は古代までさかのぼることができ、『呂氏春秋・古楽篇』などの古代中国を描いた文献には、 病を患う人々が鳥や動物の動作を真似た「舞い」を踊って治したという記録が残っているそうです。
『三国志・華陀伝』 にも記載されている五禽戯の創始者・華陀(かだ)は、麻酔薬を見つけて世界一早い臨床を行った中国古代の名高い医者でした。 華陀は中医学の考えを「開き戸の支えは虫に喰われない」と述べており、 血が滞らずに体を駆け巡ると病気にならないとして五禽戯の練習を推奨しました。華陀の弟子である呉普氏は90歳を越える長寿だったと言われています。以来、 多くの流派が産まれてきましたが、どの流派も、筋骨の活動、気血の疎通、病気の予防、健康、長寿を目的としています。
[気] という言葉を聞くと、多くの方は [気分] や [パワー]など曖昧なものに思われるかもしれませんが、中国では 「目には見えなくても具体的な力のあるエネルギー」ととらえられています。古くは老荘思想や武術から、 現代では国家に研究機関を置くほどまでに [気] の考え方が息づいています。その [気 ] を運動によって導き、心身をリラックスさせる方法を「気功」といい、経絡に気が通り、精神が安定するとされています。 五禽戯も気功法のひとつです。
「虎・鹿・熊・猿・鳥」 動きで健康維持
五禽戯の最大の特徴は \虎・鹿・熊・猿・鳥 ≠フ5つの動物の動きの特徴が動作に取り入れられていることです。 続けていくことによって五臓や経絡、気血の機能とバランスが整えられ、免疫力が向上していくという楽しい健身気功で、 アンチエイジングやダイエットにも効果を期待できます。また、中医学の考え方に基づいているため、 対応する五臓の働きを補うことができます。
それぞれの動きの特徴とイメージは、次のようになります。
虎 虎
猛威
(深い山の中で肢体を伸展させて獲物を捕らえるイメージ)
鹿 鹿 安舒 (原野の中を多くの鹿が戯れて角を突き合わせているイメージ)
熊 熊 沈穏 (山林を腰を回し腹を動かして自由に歩き回るイメージ)
猿 猿 霊巧 (山の中で活発俊敏に動いて桃を摘んで捧げるイメージ)
鳥 軽捷 (川のほとりでのびのびと全身を伸ばし羽を広げて飛ぶイメージ)
練習の際、 それぞれの動物のイメージを思い浮かべながら動作を行っていくことによって、意(意念)と気と形が合一し、 鍛錬と養生が実現できるのです。
練習を行う際の注意
ゆゆったりとした動きで、誰でも行うことができる五禽戯ですが、次のような時は練習を控えましょう。
体調が悪い時 (無理は禁物!)
入浴や、 激しい運動の前後( \気 にブレーキがかかったり、または巡りがよくなりすぎる)
雑念が多い時(集中力や忍耐力が高まるので、 心が落ち着いている時の方がベター)



