日中交流の窓口となった港町 
上海の南約140kmに位置する寧波は、 人口約550万人を有する中核都市である。杭州湾の先端に位置し、東シナ海に面している寧波市は、日本、 朝鮮および東南アジアの国々と貿易を行う主要な港で、「海のシルクロード」のスタート地だった。
古来より日本とのつながりが深く、遣隋使や遣唐使、空海、最澄などの名高い僧侶たちが中国への第一歩をこの地に記した。
宋・明の時代には、日宋・日明貿易の拠点となった。当時、港があった場所は、河口から20kmほど上流にある、 甬江・余姚江・奉化江の3つの河が合流する「三江口」と呼ばれている地点であり、現在は市民憩いの公園となっている。
また、寧波の周辺では、6000?7000年前に稲作が行われていたことを実証する新石器時代の遺跡が発見されている。遥か昔、 この地より稲作が日本へと伝わり、唐から明の時代には数多くの貿易品が行き交い、仏教をはじめとするさまざまな文化が日本に伝えられた。
日中交流の窓口として日本の文化に大きな影響をもたらしたこの町には、その歴史を映す史跡が数多く残されている。 日本僧が足を踏み入れた古寺も多く、その足跡をたどることができる。
史跡を残す港町
長い歴史を持つ寧波には、文化財に指定された史跡が232カ所も残されている。
国宝クラスの文化財や日本僧ゆかりの古寺も数多い。
約30万点もの古書を所蔵する 「天一閣」は世界最古の私設図書館で、現在は明清代の建築や庭が配された博物館となっている。「天童寺」は、 中国禅宗五山の一つに挙げられる名刹。この寺で学んだ栄西とその弟子道元は、後にそれぞれ臨済宗と曹洞宗を開いた。もう一つ、 禅宗五山の一つとされているのが「阿育王寺」。鑑真、雪舟ゆかりの古寺で、仏舎利を納めた舎利塔が建つ。
「保国寺」は後漢時代に創建された非常に古い寺だ。省内最古、1000年前の木造伽藍が現存し、貴重な建築文化財となっている。



