中国金融界のマッキンゼーを目指して 「瑞森科技」代表取締役 王朝暉氏
アメリカの大学で金融学を学び、その後六年間、世界の金融を牽引する最先端のニューヨークで活躍していた王朝暉さん。 彼が中国で会社を設立するきっかけになったのは、優秀な人材を集めるために中国政府が施行した「海外留学生帰国創業の優遇政策」だった。 これは、海外で国際性を身につけた中国人留学生を対象に、帰国後の事業設立に対する資本や課税などを優遇するもので、 この政策を利用して多くの帰国組が、ベンチャービジネスを成功させている。王さんも「祖国に恩返しができるチャンス」と考え、 帰国を決めた一人だ。
王さんが会社を設立し
た二〇〇一年は、ちょうど中国でウェブサイトがブームになっていた頃だった。
この機に乗じてウェブサイトを立ち上げたが、うまくいかず経営困難に陥った。しかし、あるチャンスがめぐってきた。
二〇〇二年、中国銀行の不良債権が深刻化する中、銀行再建のために業務管理や資金運用などの問題を解決できる優秀な人材が、 早急に求められていた。
アメリカの大学や会社で培った金融知識や経験をもとに、銀行や証券会社、 資産管理会社へコンサルティングサービスを提供する新事業を開始した。会社が飛躍するきっかけになったのが、建設銀行の再建だった。 建設銀行は国家機関の運営方法を採用していたため、市場に対するリスク意識が低く、負債管理や資金運営にも大きな問題があった。 王さんは瀕死の状態の経営を立て直すべく、運用・管理部門を強化し、資産の再編を行った。また、業務内容など八項目にわたる改革を行い、 不良債権を処理した。そして市場の動きを読んで運営するシステムを構築することで、建設銀行は優良企業として順調に業績を伸ばしていった。
現在では、王さんが経営する会社は、国際大手のコンサルティング会社マッキンゼーと競合するだけの力をつけるようになった。
「経営困難に陥った企業を再建し、優良企業への道筋を立てるには、金融の知識だけでなく、時代の流れを読み、 将来を見通す長期的な経営戦略や、顧客との信頼構築が欠かせません。とても難しい仕事ですが、中国経済の根幹を担う仕事であり、 社会的な貢献度も大きいのでやりがいはあります」と語る王さんの大きな夢は、マッキンゼーを超えるトップ企業になることだ。



